強くてニューゲーム
1ヶ月ほど続いた雨模様もなんとか落ち着き、久しぶりの秋らしい日々が訪れているこの10月に、今年もまた1つ歳を重ねた。自分の年齢について文書を書いたのは、そういえば一昨年のことだったか(「30」)。当時の大きな関心ごとの1つであった、「1,000人規模のリアルイベントの開催」は、今となっては別の会社に所属しながらも、毎週のように(会社として)同規模イベントを開催するようになっているので、なんだかおもしろい。最近のお仕事についてはまたどこかで話すとしよう。
移り変わりゆく関心ごとの中で、話題にあげておくべきことといえば、子育てのことである。前回の投稿で我が家にお子が生まれたとの報告をしたが(「小さな手のひら」)、そこから数ヶ月が経過し、様々な発見があったので、ここに記しておく。
1.毎日がアップデートの連続
多くの先人たちが残してきた言葉ではあるが、これぞまさに百聞は一見に如かずだった。つい先日まで泣いているだけの赤子だったのが、気がついたら1人で『うー』だの『あー』だの話し始めたり。お膝の上に座らせてあげると、ご機嫌にあるなぁと思って安心していたら、最近ではそれに飽き足らず「いろんなものを触らせろ!」と言わんばかりに手足をバタバタさせるようになったり。昨日まで通用していた子育ては今日には通用しなくなっているということがざらにあるのだ。
そして面白いのが、朝起きて子に対面したときに『あ、今日何かアプデ入った?』と感じることがあるということだ。体型や目つき、はたまた大人の動作に対するリアクションの細かい変化が感じ取れる日がある。これは毎日子どもをみているからだろうか、私1人だけでなくパートナーも同じ発見をするのだから、寝ている間にパッチがあてられたに違いないといつも思っている。
2.街ゆく人にとにかく声をかけられる
駅のホームで止まっているときや、同じエレベーターに乗り合わせたとき。はたまたフードコートで隣に座ったときなどに『かわいいねー。なんさい?』と声をかけてもらえることがよくある。基本的には(おそらく子育てが一通り落ち着いた)お母さまからのお声がけが多いが、こうやって利害関係もなく、自然と生まれる会話というものは、何だか心温まるものがある。
ただ1つ疑問がある。それは、私が昨年東京の中心地からこちらに引っ越してきただけに(「引越し街めぐり」)、この現象が都心では起こりえない現象なのか、土地は関係なく全ての大人が赤ちゃんを温かい目で見守ってくれているのかということだ。もし都内で声をかけられたことがある、というパパママがいたら教えて欲しい。後者であることを願っている。
3.自分の時間とは何か
これは屁理屈みたいな話だ。「自分の時間」とは何かを考えたとき、最近の私は「自分で意思を持って、自分のために使う時間」と定義したいと思っている。これまで『子どもが生まれると、自分の時間がなくなるからね〜。』と少し残念そうな顔をする人たちを多くみてきたが、私にとって実際のところなくなったのは、「何となく過ごす、自分のために使ってしまった時間」である。もうちょっと寝ていようかなと思った午前9時、ちょっとお出かけしたしYouTubeでもみてダラダラするかと思った午後4時、キリいいところまでと思ってついつい夜更かししてしまう26時、これらの時間なのだ。
「何となく過ごす、自分のために使ってしまった時間」をずっと大切に(?)してきた、ぐーたらな私にとっては、不本意ながら日常に革命が起きてしまっている。今この文書を書いている時間はもちろん「自分の時間」なのであるが、いかにこれを捻出するかに躍起になる毎日だ。これは家庭内でいかにうまく立ち回るかにかかっている。
4.街中の小さなことに目がいく
子が産まれる前、お昼ご飯の約束をしたらお子さんを連れてきてくれた友人がいた。その友人が『都内はベビーカーが大変なところは多いね。特にコンビニとかは狭くて通れないよ。』と言っていたのだが、やっとその類の話についていけるようになった。
近所の歩道は全体的にかなり狭い。踏切はベビーカーでは怖くて通りたくない。フードコートで周りの人たちが話している声量は意外と大きい。本屋は他の店舗と比べて圧倒的に静か。太陽光は家の照明と比べて明らかに眩しい。夜中に水を流す音は意外と響く...。
子どもが今何を感じているのかを想像すると、これまでは自然とスルーしてきた小さなことが情報として流れ込んでくるようになった。
このように子どもと共に過ごすようになって見直すようになった、日常の小さなことや目の前の相手のこと、そして自分の時間。私はふとこの現象が、「強くてニューゲーム」に近いのではと感じた。
「強くてニューゲーム」とは、RPGなどのビデオゲームにおいて、ゲームを一度クリアした(または特定の進行状況の)データを引き継ぎ、主人公のレベル、ステータス、装備、所持金、一部のアイテムなどを保持したまま最初から物語を開始できるシステムや機能のことです。- Geminiくん私が中高生の頃は特にRPGが大好きで、ほとんどの場合はこの「強くてニューゲーム」を使って2周目、3周目...と遊び倒したものだ。1周目では気が付かなかった、街の細かなデザインや主人公たちの心理描写を楽しんだり、「実はストーリーのヒントを与えてくれていた」モブキャラに出会ったり、敵の最速の撃退方法を求めて何度も挑戦したりした。最近はそんなRPGのストーリーのワンシーンにいるような感覚なのだ。
誕生日のうちに書き切ろうと意気込んだものの、気がついたら明日になろうとしている。今回の最後は、「誕生日を迎える度に 何を祝うのかが ずっと ナゾだった」という歌詞で始まる、奥井亜紀さんの「Wind Climbing ~風にあそばれて~」という曲で締めたいと思う。私が大好きなアニメ「魔法陣グルグル」のEDで使われた曲だ。この作品もまた、RPG風に描かれるコメディ作品である。
ここまで読んでくれてありがとう。次はあなたの誕生日をお祝いしにいきます。
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